生まれた時からロスタイム

少数派の人生や、ちょっと人と違うかもしれない考え方などを紹介していきます。

虐待されて命を落とすよりは養子縁組の方がマシだと思うよ。

**注意事項**

私が自分の生い立ちに関連して思ったことを発信すると、たまーに勝手に腫れもの扱いしてくる人や、何故か過剰反応して一般論やら正論やら綺麗事を押し付けてくる人がいるので辟易しています。

重い話など聞きたくない人は、この記事を読んでも何も得るものはないと思いますので画面を閉じることをお勧めします。勝手に気分が悪くなったり心がざわざわしたりしても、自己責任でお願いします。

自分としては大した話ではないと思うのですが、面倒なことに巻き込まれるのはまっぴらです。その為ずっと書こうか書くまいか迷っていましたが、自分なりに言いたいことがあるので書くことにしました。

読まれなくってもいい。つまらなくってもいい。どこかの誰かの参考になればいい。

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私がこのブログタイトルを付けた意図。

sapphire1976.hatenablog.com

 

その背景。

 

簡単に言うと、私は生後すぐに養女になっているのですが、生みの両親が経済的に育てられない上に中絶するお金もなく、育ての両親に私を押し付けたのでこの世で生きています。生家と養家の父親同士が兄弟です。実父が兄、養父が弟。養女になった詳しい経緯は、父(=養父)が亡くなった際、私が25歳の時に従兄(=実兄)に聞きました。

 

私の他に、生家には3人の異母兄姉と1人の実兄と1人の実姉がいました。実兄が幼い頃は卵1個を5人の子供で分け合う卵かけごはんを食べるような暮らしだった、とのこと。私と年齢が一番離れている異母兄は21歳上、実兄は8歳上、実姉は2歳上。

実父が意味不明な見栄っ張りで、どういうわけか一番上の異母兄だけ私立大学へ進学させていました。私と14歳差の二番目の異母兄は、高校入試の前日に「高校なんて受かっても行く金ないぞ」と言われたらしいです。理解不能。

 

実母が私を妊娠したと判明した時、経済的に厳しいことや心臓が悪いこともあり中絶しようとしていたらしいです。ですが、お金がない実父は「そんなものは産めばいいんだ!弟が育てる!」と勝手に決めたらしいです。

その場にいた実兄の年齢を逆算すると、小学1年生です。子供ながらに実父のことを最低だと思った、と話していました。

 

養父母は結婚して10年以上子供はおらず、養父が実家を継いでいたので男の子の養子を探していた様子。二番目の異母兄が小学生の頃に4~5年ほど預かっていたらしく、むしろ異母兄を養子にしたかったみたいです。大人になってからでも可愛がっている様子を知っているので、それは何となくわかります。

時代が時代ですから、性別も分からないまま、最終的には祖母の独断で養子縁組が決まった模様。両親(=養父母)は、YESともNOとも言っていなかったそうな。そのあたりは旦那が親戚や近所の人から聞いていました。田舎だとこちらが聞かなくてもペラペラ喋る人達がたくさんいます。

 

そんなこともあり、私は自分のことは「望まれず、とばっちりで生まれた」と解釈しています。いろんな謎が解けてすっきりしました。養女であることは子供の頃から周囲の大人がボロを出していたので知っていましたが、それでも拭い切れない違和感がずっとありました。

幼い頃、私を見るたびに「かわいそう」と言ってくる近所のおばあさん。それも複数名。どいつもこいつも何なんだ。かわいそう、って何だよ。ずっとイライラしていましたが、やっと背景を理解できました。

 

本家の跡取りで一人娘なのだから、婿養子を貰って家を継ぐのが当たり前。周囲が勝手に決めつけるそのレールが嫌で嫌でたまらなかった自分にとっては、自由の切符を発見したくらいのスッキリ感です。

もともとこの家には子供はいなかったのだから、私が嫁に出てもプラスマイナスゼロじゃないか。やった、自由だ。

 

私の本名は祖母がつけたものです。家を継ぐようにつけた名前みたいなので、私は婿養子を取るための生贄じゃねえよ!とずっと思っています。

以前、自分の名前が嫌いだと話したら「改名って方法もあるよ」と言って下さった方がいました。それはいい方法だと思うのですが、残念ながら私には「変えたいと思う名前」がありません。まあ、仕方ないのかな。

 

多分今から15年くらい前だと思いますが、当時大人気だった細木数子さんが「もしどうしても自分の子供を育てられなくて養子縁組に出すのであれば、親類縁者や知っている人の誰もいない遠い土地に出す方がいい」と話していて、その通りだと思いました。

私の場合、産んだ両親は「伯父・伯母」として小さいころから見ていた為、二人のダメ人間っぷりをよく知ることになりました。これは宜しくないね。二人に対しては嫌悪感しかありません。周囲の大人がボロを出してしまうのもよくない。

 

望まない妊娠・出産から、虐待につながる例は多々あります。それで命を落とすくらいなら、望んで引き取ってくれる養父母や里親の元で暮らす方がずっといいのではないかと思います。

どうも日本は血縁信仰が強いようなので、あまり養子縁組制度が広まらないようです。しかし、昨今の虐待事件を見ていれば、実の親だからと言って必ず自分の子供を大事にできるかと言ったら、それは100%絶対ではないことは誰の目にも明らかです。

 

養子縁組で育った人は結構います。敢えて話す機会もないので周囲の人が知らないだけだったりします。話したところでたまーに勝手に可哀想がる人がいて、変な腫れもの扱いをされるので面倒なことになり、話すのをやめることもあります。

 

自分はたまたま望んでいない人達に引き取られ、というか押し付けられ、育てた人達にも問題があったので残念な大人になってしまいましたが、養子・養女で育って幸せに暮らしている人達はたくさんいます。

子供側からすると、血縁はどっちでもいいです。今でも私は育てた人達が両親です。生家に戻りたいと思ったことはないです。というか、育てた両親もろくでもないけど、産んだ人達よりはよっぽどマシ。親だと思っている分、憎みもするし恨みもするし、腹も立ちます。

 

今ほど法律が整備されていない時代の産物ですが、養子・養女であっても私はさほど法律上の不利益は感じることなく暮らしています。

健康保険証の続柄の欄は「子」と表記されていますが、普通に使えます。

婚姻届を記載する際には生家での続柄の記載が必要で、生みの両親の名前と育ての両親の名前と、合計4人分書かないといけませんが、それだけです。

生家と養家の両方で相続が発生するので、生家の相続放棄の書類に記名・捺印したり、なんてこともあります。そのくらい。

 

複雑な家庭や残念な家庭に育つと、家族に対しての恨みつらみや理解されない気持ちを持ちながら生きていることも多いです。周囲の人に話せば「お前は間違ってる」とか「非常識だ」とかあれこれ言われるうち、誰にも理解されないと心を閉ざしてしまう人がほとんどです。

家族に愛され、日々感謝しながら暮らす人の中には、私の話を聞いて勝手に怒り出す人がいたり、お説教してくる人がいたりします。あなたの世界ではね、という言葉がぴったりです。「残念ながら私はそういう平和な世界では生きられませんでした」と言えばいいんだな、と思っています。

 

約3000字ほどになりましたが、どこかの誰かの生きづらさについて、そういう人もいるんだな、という参考になれば幸いです。

一番最初に書いたブログ概要はこちら。

sapphire1976.hatenablog.com