生まれた時からロスタイム

少数派の人生や、ちょっと人と違うかもしれない考え方などを紹介していきます。

無視・称賛・非難 本当に才能があるのはどの分野?

「無視・称賛・非難」

これは某有名野球監督のお言葉ですが。

 

三流は目にも留められず、無視される。

二流は良いところを褒められ、称賛される。

一流は…何だか知らないけど、非難される。

 

三流と二流は分かるんですけど、一流についてはいろいろと難しいものだな、と思います。

 

大スターほど、アンチが多い。

超有名人ほど、叩かれる。

ずば抜けているから、妬まれる。

頑張っても勝てないから、悔しい。

凄すぎて、理解できない。

 

この種の非難は、多くの人々は見分けがつくのかもしれませんが、非難している本人も気が付いていなかったり、非難されている人も見分けがつかなかったり、無関係な周囲もよく分からなかったりします。

 

私は子供の頃から絵が好きで、周囲からも褒められ、自分でも絵が得意だと思っていました。中学生の頃は美大に行きたいと思っていて、高校へ進学後は迷わず美術部へ入部しました。

しかし、周囲の絵のレベルの高さが半端ない。美大を目指す先輩が、受験の為に描くデッサン。全国レベルの展覧会に出品する、先輩の油彩。県の展覧会で入賞する、同級生の油彩。

私の絵とは出来栄えが桁違いで、実力は雲泥の差でした。これは…私には才能はないと感じ、入部から一ヶ月も経たずに美大進学は諦めました。その後は趣味として絵を描いています。

 

多分、これが二流の感じなんだと思います。

 

大してスターじゃないから、アンチもいない。

さほど有名人でないから、叩かれない。

特に飛びぬけたところがないから、妬まれない。

頑張ったら勝てそうだから、悔しくない。

まだまだ普通の範囲だから、理解しやすい。

 

結局、私は絵よりも勉強に才能があったようです。少し前の記事にも書きましたが、勉強の分野では意味不明な悪口やら何やら浴びせれれていました。非難を浴びせられている点の方が、実は秀でているということです。

 

私は26歳の春から学習塾でアルバイトを始め、28歳の秋から自分で学習塾を立ち上げ、34歳の春まで運営していました。通算8年、学習塾の先生やってました。

対象は小中学生5教科全部と、少しだけ高校生にも授業していました。個別指導で、1対1もしくは1対2形式です。説明→演習→丸つけ&解説→次へ、というスタイル。問題演習中心ですね。

当然ですが、1対2の授業は学年も科目もバラバラの生徒を同時に授業します。左の中3生が英語、右の中1生が数学、とか。勿論、宿題も出してました。生徒が問題を解いている合間に宿題の丸つけも終わらせて、授業時間内に解説もします。

そういう学習塾でアルバイトをしていたので、そのまま同じことを自分の塾でやりました。

 

バイト時代はエリア内に在籍する100人前後の講師の中で、成績向上率1位を取ったこともありました。

自分で運営していた塾の評判については実家の一室でやっていたこともあり、子供時代の「あの子は頭良いらしい」という噂と連動して、ビックリするくらい広域に知れ渡っていました。

田舎ですから、噂の広まり方の規模が違います。30kmくらい離れた地にある高校から「数学の授業をやってくれませんか?」と、何故か私がお世話になっていたご近所さんに電話がかかってきたことがあります。(数学の免許は持ってないのでお断りしました)

「あの塾やってる人は○○さんの姪っ子なんだよね?」と親戚が聞かれたり、母や祖母もあちこちで塾のことを聞かれたそうです。

旦那に至っては見知らぬ人から聞かれたようでした。訛りから地元民ではないことが分かると、田舎の人は「どの辺に住んでるの?」と聞くことが多く、およその場所を答えると「あの辺に女の先生がやってる塾があるの知ってるかい?」と、高い確率で聞かれたそうです。

 

すごく成績が上がる

分かりやすい

子供にも厳しいけど親にも厳しい

あの塾に入った○○君は変わった

 

と、あちこちで噂されていました。もしやスパルタ?と思われそうですが、生徒の保護者が「塾はどう?」と聞くと「楽しい」と答えるらしく、随分と不思議がられていました。

 

いろいろあって塾は閉めましたが、勉強を教えることについてはお金を貰えるレベル、プロだったと思っています。

だいぶブランクがあるので先生に戻ってもまともに指導できないかもですが、何かを教える能力については、それなりに実力があると思っています。

会社で後任スタッフに仕事を教えていた時、雑談で「元塾講師だった」と言ったら「仕事でこういう教わり方したことがなかったから、今聞いてものすごい納得!」と言われました。

 

…ゴメンよ、何が違うのか分からない(爆)

 

他の同僚に「そんなに違うの?」と聞いたら「何かを教わった時の納得感が違う。やっぱり教え方が上手いんだと思う」とのことでした。

 

「…そうなの???」と本当に聞き返してしまいました(笑)

 

何か努力して身に着けたわけではないので、ポカーンとしてしまうばかりです。

バイトで教わったのは「様子を見ながら少しずつ進む」とか「“わかる”ではなく“できる”ようにする」とか、そんな感じの「考え方」がメインで、具体的にあれこれ「こんな風に教えるように」と教わったわけではないのです。しかも仕事の教え方なんて誰にも指導されていませんからね…。


ということで。

勉強面では圧倒的な実力がありました。と言っても、おそらく学力よりも「教えること」に最も実力があったようです。

様々な背景があったとは言え、子供であっても「目立つところを叩いてくる」法則は成り立っているのですね。

 

皆さんも、もしかしたら褒められたところよりも、意味不明なつまらないケチをつけられたところに才能が眠っているのかも知れませんよ。

 

この記事は、アメーバブログに投稿した下記を加筆・修正したものです。

5/10「無視・称賛・非難」

6/1「実は○○、その道のプロでした」