生まれた時からロスタイム

少数派の人生や、ちょっと人と違うかもしれない考え方などを紹介していきます。

愚痴と悪口は紙一重、何がOKで何がNGか?

先日読んだブログ。桃音さんという超有名ブロガーさんの記事。

ご本人にリンク貼り付けの了承頂きましたので、下記参照ください。

momonestyle.com

 

まず、最初に読んで「愚痴や悪口の全部が全部NGではない気がする」と言うのが私の意見です。さて、何が違うのか。

悪口はNG、愚痴はOK?いや、愚痴も内容やによるな。それに愚痴や悪口を言っている相手にもよるな。

 

努力もせずに人を非難していたり、本人以外の事情についていちゃもんをつけていたり、わざわざ人を傷つけていたり、嘘が混じっていたりしたらNG。

本人が何か辛い立場に置かれていて、状況や相手について愚痴や文句を言っていた場合は、多少悪口じみた言い方をしていても、それほど苦にならないのでOK。

休日に会社の同僚の愚痴を聞く気にはなれなくても、家族や友人の愚痴を聞くことには抵抗はない。

私のモノサシはそんなところでした。

 

上記のように思うに至った過去の例をいくつか紹介します。

 

①学習塾時代の生徒、中3のAちゃん。 

彼女は友人の愚痴を母親に話すことが多かったようです。面談の際に母親から聞きました。

作文は抜群にうまいけれど、会話はイマイチなAちゃん。思っていることをうまく話せないタイプです。愚痴も悪口じみた言い方になっていた可能性もあります。サッパリした男前な性格の母親は「そんな悪口は聞きたくない!本人に言えばいいでしょ!」と言い返したとのこと。

しかし、Aちゃんの同級生は1学年20人程度しかおらず、しかも女子生徒は7~8人しかいません。修学旅行を境に友人にいじめられたりして体調を崩し、通院していたこともあります。

Aちゃんからしたら、同級生に話せないから母親に話しているし、いじめが再燃している可能性もあります。母親くらいしか話せないだろうに、それを拒絶されたら行き場がないだろうに。単にAちゃんの言い方が子供じみていて、ちょっと面倒臭い子なだけです。

 

過疎化が酷く、極端に子供が少ない学校に通い、田舎の狭い人間関係に閉じ込められているので、一般的に言われるような「距離を置く」ことができません。

いじめられても誰にも相談できずにこの世を去ってしまう子供がいる中で、学校や友人の愚痴を母親に話せるなんて、とてもいいことだと思います。

 

②5年前に働いていた会社の同僚、Bちゃん。

まず、彼女とは知り合って半年位はさほど接点がありませんでした。同僚が日々Bちゃんの文句を言っていましたが、だいぶくだらない悪口も含まれていて、ひたすら面倒臭かったです。①の母親のように「本人に言えばいいじゃん」と思っていました。

Bちゃんが退職することになり、私がBちゃんから仕事を引き継ぐことになり接点が増えてみたら…。ま~仕事のミスは多いわ、ルールは守らないわ、そもそも仕事をろくに覚えていないわ、酷い有様でした。

ちなみに私は本人に直接文句を言ってましたが、周囲は「言っても通じないから、早く藤倉さんが仕事覚えて、早くBちゃんにはお引き取り頂こう」と言っていました。

Bちゃんに対するくだらない悪口も、元を辿れば彼女があまりにも仕事ができないことに起因していて、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い方式だったことが分かりました。同僚が日々文句を言っていた気持ちがよく分かりました。

この場合は「悪口は良くない」というのは至って表面的な話で、根本的にBちゃんの仕事の出来栄えの悪さを解決しないと何も解決しません。

 

百聞は一見に然ず。悪い噂が合っていることもあるし、間違っていることもある。基本は中立からスタートし、自分の目や自分の感じたこと、事実関係に基づいて考えるようにしたいと思いました。

 

③現在働いている会社の自分。

9月上旬、女性の上司・Cさんに「吊るし上げ」にされました。複数名に対し連絡事項を伝達する際に「こないだ同じようなミスをしましたよね、藤倉さん」と名指し。

日頃からCさんは「質問しただけで怒り始める」「“調べてから質問して!”と言ったり“分からないなら早く質問して!”と言ったり、指示がバラバラ」「ミスを注意したりする際、厳しいというより言い方が酷い」という人でした。

私も7月下旬に入社したばかりで、8月半ばに配属されたばかりですから、そりゃミスもするし初歩的な質問もすると思います。配属されて1か月も経たない部下にこの態度を取る上司は頭おかしいとしか思えません。

日頃から頭に来ていたこともあり、この日は頭に来すぎて朝4時頃まで眠れず。旦那に話してみたところ「それはパワハラで十分訴えられるよ。でもまだ辞めさせたくてやっているのか、期待してやっているのか、そこまでは状況が分からないな。」とサラリ。

Cさんは仕事ができないわけではないです。とりあえず熱心で、厳しい方です。何か歯車がかみ合っていないなら、工夫して話が通じるのが一番ありがたいのですが、気分によって態度や回答が違うので困ります。全く同じ条件で全く同じ質問をしてみたことがあるのですが、答えが全く違ったことがありました。それは困る。

 

そんなある日。同じくCさんにボロクソに言われている年下の先輩・D君が、私のところに来て愚痴をボソボソ。

「Cさんが厳しいのは別に悪いことじゃないんだけど、あんな言い方しなくてもいいのに」そうそう。まさしくその通り。

「こないだ私も吊るし上げにされましたしね」D君は同席していたので目撃者です。

「本当にさ、あれはCさんは藤倉さんを辞めさせたいのかと思ったよ」とのこと。

 

そうか、他の人からみてもおかしいんだ。私の怒りは決してわがままや言い訳じゃなく、正当なものなんだ。なんだか妙にほっとしました。

他の被害者(?)も同じようなことを言っていました。「ミスをする自分が悪いんだけど、言い方が酷いし、後ろに立ってずっと監視されたりするのはむしろ緊張するから止めて欲しい」「何を言われるか分からないから質問したくない」あらら…。

 

以前働いていた会社の女の子で「○○さんがむかつく~!」と私にあれこれ愚痴って来る子がいましたが、わりと的を射たことを言う賢い子だったのでこちらもさほど気にせず聞いていました。

私の返事は内容によってバラバラで、一度「それはあなたが悪いと思うよ」という趣旨の回答をしたら、本人も「それもそうだな」と思い直し、相手に謝っていたことがありました。彼女が賢い子だったから成立した話かもしれません。

「○○さんむかつく~!」という言い方だけを受け取ってしまうと、単なる悪口に聞こえますが、ちゃんと聞いたら解決の糸口が転がっている場合もあります。

愚痴にも質の良し悪しがある、と思って頂ければわかりやすいかと思います。単なる憂さ晴らしは質が悪く、聞く方も気分が悪いと思います。でもいじめやセクハラ・パワハラの発見に繋がるような愚痴は、むしろ話してくれた方がいいでしょう。

 

私が3年ほど前、とてもしんどい思いをしていた時に知人から頂いたありがたい言葉を紹介します。

「何か辛いことがあったら、愚痴でも悪口でも何でもいいのでメッセージください。僕が聞きますので。」

 

悪口でも聞くよ、なんてなかなか言えない言葉だと思います。とても救われました。

社会的に正しくなくても、もしかしたら間違っていても、それを受け止めて貰えるというのは人の心の温かさであり柔らかさではないかと思います。

今の会社は守秘義務がたくさんあり、仕事の愚痴は同僚しか話せません。友人にも業種をぼんやり話した程度です。旦那にも、話せる範囲は限られています。それは同僚も同じことで、お互いに聞いてもらえるだけ有難かったりします。

 

愚痴と悪口は紙一重と感じます。言い方・言う相手・状況・客観的判断(=事実に基づく)が伴えば、それほど非難されるようなものではないのではないかと思います。

逆にいうと、愚痴や文句でも「悪口」と受け取られないような言い方を身に着けないといけないのだろうと思います。人を傷つけず、利害関係のない第三者に、噂が立たない状態で、嘘をつかずに。

 

長くなりましたのでこの辺で。桃音さん、ありがとうございました!